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『アリシア・エドワールは夢を見る』第七話
作:緑野仁 「メリー! ……メルラン・ランスエロット!」 「はい、お嬢様!」 「……何だか最近ものすごく早いわね」 「自分でもびっくりですよ。慣れですかね?」 「そんなことよりメリー、今日は夢を見たわ」 「今日も、の間違いな気がしますが……」 「気にしちゃダメよ」 「その夢の中で、私はハンターだっ……」 「ちょっ、お嬢様? あの、版権的に大丈夫な話ですか?」 「何がよ?」 「だ、大丈夫ですね。分かりました」 「で、私は大剣使いだったわ」 「アウトぉぉ!」 「……どうしたのよ? なんだか落ち着きがないわね」 「……はっ、私は何を……?」 「大丈夫、メリー? 何だか今日は別人みたいだけど」 「あ、はい。続きをどうぞ」 「ええ。それで、エレノアと一緒に狩りに行ったの。リオレ……」 「はいぃぃぃ!!」 「!?」 「……はぁ、はぁ、っ、私は何を!?」 「メリー、何だか今日は反応がエキセントリックね……」 「わ、私にもよくわかりませんが……」 「まあいいわ。……その後、帰ろうとした時に突然怪物が襲いかかってきたの」 「おぉ、新展開ですね」 「この後の展開は再現VTRでどうぞ」 「誰に言ってるんですか!?」 「……っ! お姉様、危ないっ!」 「え? あっ……」 ”グルルル!” (くっ、避けきれない……!) 「……振動(クエイク)」 「!」 ”グギャアァァ!” 「おっと、まだ死なないか? だったらトドメだ。氷雪業火(ブリザードイグニッション)」 ”ギャアアア!” 「っ! ……ヤツの周りが凍っていく!? ああ、そして今氷がどんどん燃えていって、今爆発したっ!」 「やけに説明っぽいわね、お姉様」 ”グガガガ……” 「ふぅ、これで大丈夫だな」 「……あなた、何者?」 「おお、お嬢ちゃんたち大丈夫だったかい? 俺の名前はモッソ。……コイツはなかなか強いからな、危ないところだったぜ」 「……さっきあなた、何をしたの?」 「ん? ああ、コイツは俺の生まれつきでね。炎と氷を操ることが出来るのさ」 「……何ですって……そんな、世界観を破壊しかねない話が……」 「まあ、確かに俺は異端な存在さ。だがお嬢ちゃん、あんたらは闘わない方がいい」 「!」 「……どうして?」 「さっきまであんた達を追いかけてたが、まだ闘いに慣れてない様子だった」 「なんでついてきてたのよ?」 「そりゃ、俺は弱いハンターを守る異端者だからな。アンタたちみたいなのをほっとけないのさ」 「……変態なのね」 「変態だわ」 「まあ、それはおいといて。アンタ達は、装備も揃ってない。そんなカジキマグロで何が出来る?」 「ぬ……」 「……お嬢様、武器はカジキマグロなんですか」 「まあね。意外と使いやすいし」 「そんなものを振り回したって、勝ち目はない。大怪我する前に早く止めちまいな」 「ちょっと、そんな言い方はないでしょう?」 「俺は、アンタ達を思って言ってるんだ。わかったら、とっとと行け」 「……何か、方法はないの?」 「あん?」 「この世界で生き抜く方法はないのかって訊いてるのよ」 「なにぃ? そんなのお前、何か特殊な能力でもない限りは……」 「それよ。その特殊な能力の身につけ方を教えなさい」 「おいおい、本気か!? 覚えれるかもわからないんだぜ!?」 「かまわないわ。やるしかないのよ」 「……わかったよ。正直、俺は生まれつきだから教え方がよくわからんが精一杯教えてやろう」 「ダメじゃない」 「それじゃ特訓を開始するぞ!」 「で、まあ色々と特訓したのよ」 「ふむ、例えばどんなのですか?」 「例えば、うさぎ跳びとかタイヤ引きとか」 「古典的ですねえ。……というか、能力と関係ない気が」 「まあいいじゃない。それで……」 「はあ……はあ……」 「……よく耐えたな、嬢ちゃん。だが、問題は出来るかどうかだ。あの木に向かって呪文を唱えてみろ。何も起こらなければ……アンタにはムリだってことだ」 「っ……大丈夫よ。私は、これまで厳しい修行に耐えてきた。だから、きっと出来るはず」 「……そうよ、お姉様! お姉様ならきっと出来るわ!」 「ありがとう、エレノア……はぁっ!」 「よし、嬢ちゃん! とりあえず何でも良いから中2っぽい言葉を吐け!」 「っ! ……行くわよっ! 爆熱霜(バーニングフロスト)っ!」 「! ……」 「っ……! はぁっ、はぁっ……」 「……何も、起こらない……」 「失敗、か……嬢ちゃん、すまないが……」 「! いや、違うわ! あれを見て!」 「ん……? な!? 木全体が霜に覆われてる!?」 「すごい……ああっ、更に霜がどんどんと燃えていく!」 「なんてヤツだ……嬢ちゃん、成功だ!」 「はぁっ、はぁっ……」 「喜べ、嬢ちゃん。これでアンタも立派なハンターだ!」 「そうよ、お姉様! これでどんな相手にも立ち向かえるわ!」 「……やったわ。この、炎と氷を操れる能力があれば……」 「何処でも簡単に料理が出来る!」 「……あ、あれ? そういう話でしたっけ、これって」 「その後はそのモッソと一緒に狩りに行ったわ」 「えーと、お嬢様? 能力とかは一体どこに?」 「もちろん、料理にフル活用したわ。冷凍も出来るし」 「……あ、ああそうですか。分かりました」 「いやあ、でも楽しかったわまるでゲームをしてるかのような」 「それはよかったです」 「というわけで、ゲームがやりたいわね」 「……あのー、お嬢様?」 「エレノアが来たらやるしかないわね」 「呼んだんですか!? だからダメだって……」 「来たわよ、お姉様」 「あら、エレノア」 「ああ、おはようございますエレノア様……」 「さて、今日もモン○ンやりましょ」 「そうね」 「……夢の中で体験したことをわざわざ現実でもやらなくてもいい気が」 「メリー、早くお茶を持って来なさい」 「はいぃ!」 |
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