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『たすきがけ!』 作:武士道さむらぃ 「何? 蝉禁蝉がインテルグラフ仮面にやられただと? 奴ら一体何人いるンだ?」 「四天王の出番、ですかね?」 「……ううむ、そうだな。よし、一気に畳み掛けろ!」 「承知致しました」 月夜の晩 腰に真剣 紅い傘 流る 韋駄天 野を揺らす 「あ、また間違えた」 男は例の如く見を翻し、来た道を引き返していった。 枝具町のとある一角、やけに派手な格好をした4人がひそひそと話をしていた。 「……インテルグラブ仮面とインテンション仮面だっけ?」 袴の男が尋ねる。 全身を真緑で統一しており、やけに雑草臭い。 「インビジブル仮面、じゃないかしら?」 今度は桜色の着物を着た女が答えた。 優雅に扇子をあおいでいるが、その用途は主に換気、と言ったところであろうか。 「インフル顔面じゃき」 青ジャージの男がきっぱりと言い張った。 青と言っても水色に近い、蛍光色の青であるためはっきりいって落ち着かない。 「インテグラル仮面とインテルグラフ仮面、との通達を受けておりますね。僕の見解ですとインテルグラフ仮面はガセネタ、ではないかと」 虹色全身タイツに赤ぶち眼鏡の男が手帳を見ながら伝える。 インテリ気取ってるようだが……どうみても馬鹿だ。 「流石だな、透等。完璧じゃないか」 緑色は賛美の拍手を送る。 しかし、二人の名前を覚えておくぐらい容易なことであるのだが。 「暁烈は論外でしたね」 桜色は着物についた埃を(というのは建前で臭いを)払いながらつぶやく。 「羅慈杏のインビジブルも不自然じゃが?」 青色も文句を言うが、桜色がギロリとにらみつけてきたので口をつぐんだ。 「それで、部宮徹さん。どうやって探すつもりでしょう?」 虹色が腕時計を確認した。 任務の通達から既に2、3時間が経過しているのにも関わらず、何の方向性も決まっていない。 「……透等。任せた」 透等はその言葉に呆れてため息をついた。 「ぬ……、そこの帽子売り。その三度笠はいくらであろうか?」 紅傘の男は真新しい三度笠を指差した。 「こちらはですね。えーと……」 「言わずともよい。この番傘と換えてやろう」 店主は戸惑い、どう対応しようか考えた。 別にそんなに立派な番傘でもないし、かといってせっかくの申し出を断っても店の評判は落ちてしまうかも分からない。 結論を出しかねている内に救いの手が差し延べられた。 「お前は、インテグラル仮面とかいうやつだな! この前はよくもうちの商品を……!」 証はいかつい機関銃を構え、紅傘の男の動きを牽制する。 「ああ、おぬしか。あの銃はの……壊れた」 ばきゅーん! 放たれた銃弾は、……証をかすめた。 「おぬし、しばし引いておれ」 紅傘の男は真剣な面持ちで真剣に手をかけた。 「あいつがイン……ドア仮面なのか?」 部宮徹は疑いの眼で紅傘の男を見た。 何か思っていたよりずっと、まともだ。 「わしは確かにそう呼ばれてるのを聞いたき」 暁烈は胸を張る。 一体彼の自信はどこから沸いて来るのだろう。 「なんかイメージと違うわね……。もっとこう、ダサダサのブサイクな類かと……、ちょっと化粧直してくるわ」 「……え、と。化粧直しですか? あの様子ですとさして能力が高そうにも見えませんので、ご自由に」 透等はノートを開いて何やらメモをし始めた。 戦闘記録、と題の書かれたページ。 そこには今までの戦績がびっしりと記されていた。 律儀な男だ。 「だそうだ」 「そうじゃ。わしだけで十分じゃき」 「部宮徹ショット!」 部宮徹は緑色の銃を構えるや否や引き金を引いた。 「暁烈ガトリング!」 暁烈も同時に真っ青な銃の引き金を引く。 翠色の研ぎ澄まされた矢印と蒼色の規則正しく並んだ粒子とが互いにぶつかりながら徐々に光を帯びていく。 「ダブルショット!」 二人は声を揃えて叫んだ。 「……証とやら、ちょいと失礼。」 紅傘の男は迷わず証の後ろに避難した。 「(゜д゜)」 「なんの罪も無き人間を害するとは……、許されざる悪行。その罪、お主らに還元してやろう」 紅傘の男は傘と真剣を前に構えた。 「我が名はインテグラル仮面。世を還す者なり!」 「お前が当てたようなもんだろうが!ダブルショット!」 二人は再び引き金を引く。 光がインテグラル仮面を襲い、しかしインテグラル仮面は……笑った。 「少々眩しかろうて、傘をさそうかの」 開かれた紅い傘は光を四方に拡散する。 弾かれ、弱まった光が周囲の草を枯らした。 「く…、おい透等。戦闘メモを書くのはやめて手伝ってくれ」 部宮徹は急かすように透等の足元に矢印を放つ。 「羅慈杏も力を貸すんじゃき」 暁烈もわあわあと喚いた。 二人は顔を見合わせ、苦笑いをする。 「仕方ないわね」 「行きますよ」 4人は一斉に引き金を引いた。 「カルテットバズーカ!」 矢印が粒子を纏い、数が空間を支配し、桜色の扇がその全てを切り裂くべく七色の風を起こす。 「大守鬼駆け!」 インテグラル仮面はその美しい七色の輝きを横目に地を駆け抜けた。 紅い鬼の如き風が4人を貫く。 「赤!」 ブーン! 「お主らの罪はお主らに還元されたまで。証、主の怨みも全て奴らに還元された。全ては還元されたのであろうて」 インテグラル仮面は証への弔いに彼の屍の真横に傘を突き立てた。 「キサ、マ……」 証は震える手で機関銃を構える。 しかしインテグラル仮面はそれに気付いていないようであった。 「……。店主、この三度笠はいただいて行くぞ」 インテグラル仮面は三度笠を自分の頭の上に乗せる。 しっくり来たのか何回か頷く。 「このお代は、証に還元された。あいや失礼!」インテグラル仮面は全速力で駆けて行った。 罪深き火衣狼。 その罪は愛あるがゆえ。 正義の背負う罪は善となる。 貫けインテグラル仮面! 光る勇気は 赤 ブーン! 悪が還った世界へと。 最終回「微分⇔積分!」 お楽しみに! |
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