『ユウシャインカオスランド』
作:璃歌音



 とある剣と魔法の国。そしてとある剣と魔法の時代。この時、国は悪の大魔王に侵され、魔王の勝手気ままなスローライフに利用されていました。
 そして今!魔王を打ち倒すべく、一人の勇者が立ち上がったのです!勇者は二人のおとも
「ちょ、ちょっと待てや!」
 なんでしょう?
「なんでしょう? やあらへんよ。なに? 勇者って。ウチそんなん聞いてへんよ。さっきまで家でごろごろどうぶつの森やっとったんやで?」
 はあ。「街に行こうよ」ですか。
「ちゃう。『おいでよ』や。」
 古いですね、今更「おいでよ」ですか?
「ホンマあんたしばいたろか? ウチはな、DS至上主義なんや。Wiiなんてやらんの。大体、ごろごろしながら『街に行こうよ』出来るか? 無理やで。そんなんヌンチャクのコードがびんってなるのがオチやで、びんって」
 結局、Wiiを持ってないだけの話じゃないんですか?
「持っとるわ!! 『街に行こうよ』ヌンチャク使うって知っとったやろが!」
 そんなもの、「あー『街に行こうよ』欲しいなー。でもWii持ってないしなー」と公式サイトをだらだら眺めていれば嫌でも入ってくる情報でしょう。
「あんたはホンマにしばいたらなわからへんみたいやな!」
「ちょ、ちょ、未子。地の文と会話するのはやめなよ。いい加減にしないと怒られちゃうよ」
 勇者が止めにかかりました。
「あんたが勇者やったんかい!? え、健太郎も来たん? なんや、せやったら早う言うてくれれば良かったのに」
 ずっとあなたの目の前に居ましたけどね。ぷぷ。
「なんやと! いちいち腹立つなあんた!」
「だ、だから未子」
「しゃーないやん。こいつが腹立つんやから。大体、誰に怒られるっちゅーねん」
「え、えーと……読者?」
「こんなん誰も読んでへんわ!」
「うわー。それは作者が泣くよ」
「だったらサイトをもっと宣伝したらええねん! なんや、所々にこそーっとURL書いとるだけやん! もっとどーんってやらな! どーんて! もう、2ちゃんねるにでも書いてまえばええのに」
「いや、それはさすがに」
「なんでや!」
「こんなイタいサイト、あっという間に荒らされるのが関の山だよ」
「う……まあ、せやな」
 あの、納得しないでもらえませんか?
「なんや、地の文て作者やったん? 別人格かと思っとったわ」
 あ、いや、さっきまではそうなんですけど、あんまり酷いこと言われるんで、つい。すいません。
「ほんで腰低いな作者! なんやそんなにあかんかった? ごめんな、ほなええからパソコンの向こう側に帰りや」
 あ、今は携帯で書いてるんで。
「知らんがな!」
 これ、すごいんですよ。位置センサーを内蔵してて本体を縦にすると普通の携帯のキーが表示されて、横にするとQWERTYキーって言うんですけど、パソコンのキーボードみたいになるんです。
「急に語り出したな! でもまあ、さっきのやつよりはましやから、このままやってもらおかな」
「それは困る! ボク様の役目がなくなってしまうではないか!」
「なんて? で、誰やお前! あんたが地の文やっとったん?」
「あ、僕の友達の肝雄太男くん」
「うわーイヤや! 一番嫌いなタイプやわ! ウチ、オタクとか一番嫌いや」
「失敬な。ボク様はオタクなどではない。ただ、2次元の女の子によく萌えるだけであって」
「それがオタクやねん!」
「違う! ボク様はちゃんと3次元にも萌えられるのだ! 今だって君、未子たまの天使のような可愛らしい容姿ときっつーい関西弁とのギャップに萌え萌えしているのだからして」
「気持ち悪っ! イヤや、こんなんと一緒に魔王倒しになんか行きたないわ!」
 あの、僕もう帰ってもいいですか?
「まだ居ったんかい!」
 僕が帰れば、肝くんは地の文やるんで少しは静かになるかと。
「あ、そうなんや。ほなさっさと帰りや。帰れ帰れ。バイバーイ」
 あの……もうちょっと居ようかな。
「あんたも大概面倒くさいな!! 悪かったて、頼むからもう帰って? あんたもいろいろ忙しいんやろ?」
 あ、はい。明日プールの授業があります。
「子供か!」
 では。
「あ、帰りよった」
「じゃ、キモオタくん、よろしく」
「了解なり!」
「今、なんて?」
「え、キモオタくん、よろしく?」
「なんやの? キモオタくんて」
「ああ、肝雄太男くんだからキモオタくん、そう呼んでくれって肝くんが」
「思いっきりキモオタって認めとるやん!」
 それとこれとは違います。
「うおう、いきなり入って来たな。なに、地の文に行くのって時間かかるん? っていうか、何気に地の文と普通の時とキャラ変わっとるんな」
 べ、別にいつもみたいにしたっていいんだからね!ぐふふ。未子たんめっさカワユスなぁ。ボク様萌え萌えしすぎて萌え死にしてしまうぞ♪
「やめてくれ……頼むからやめてくれ。天からそれは聞きたない……」
「あ、天から聞こえてくるっていう設定なんだ」
 まあ、未子さんの頼みなら仕方ありませんね。この喋り方でやってあげましょう。
「ああ、相変わらずごっつ腹立つのにこれで妥協してまう自分がおる……」

 さて、作者の介入も経てなんやかんやでなんとかなった勇者一行は、
「なんとかなったんか?」
 とにもかくにも、魔王討伐の旅に出ることにしました。
「いっこええかな?」
 なんでしょう??
「うわ、クエスチョンいっこ増やしてきおった。なんやごっつ腹立つな……。いや、健太郎が勇者なんはわかったけど、ウチとあんたはなんなん?」
 あなたは整体師です。
「整体師!?」
 回復できます。
「は!? いや、確かにウチの父ちゃん整体師やけども。そんなん影響すんのん? え、じゃあ健太郎の父ちゃんは?」
「八百屋さん」
「関係あらへんやん!! えーウチ、イヤや。ウチも戦いたい」
 文句言わないで下さい。私なんかストーリーテラーですよ?
「は?」
 だからさっきみたいに作者が出てくると私の仕事がなんにもなくなってしまうんです。
 あ、すいません。
「地の文同士で会話すんなや! わけわからんことになっとるがな!」
 あ、すいません。
「もうええっちゅーねん!」
 とにかく、旅に出た勇者一行は、
「待て待て待て待て! 勇者と整体師とストーリーテラーでなにができんねん! ひっどいパーティやで、今?」
 ひとまず、新しい仲間を探すことにしました。
「ああ、ごっつムカつくわぁ……。ウチ、なかったことにされてんで? なあ、健太郎」
「まあまあ」
「ああ、なんやろ。健太郎に言われるとごっつい落ち着くわ。健太郎、あんた癒しのテクニック持っとるで」
「そ、そうかなぁ?」
 それは、未子さんの一方的な恋愛感情によるものでは?
「ぎにゃー!! なんやのあんた! ホンッマにデリカシーっちゅーもんがないんやな! 健太郎、あんなやつの言うこと聞かんといてな?」
 その健太郎くんは今まさに蝶々を追いかけることに夢中になっているのでした。
「おお……ふぅ。ってガキか! いくらなんでも典型的すぎや!!」
「え? なにか言った?」
「おお……ふぅ」
 そこへ、モンスターが現れました。
「唐突やな!」
「こいつ、なんていうモンスター?」
「見るからにスライ……」
 スラベッチャラドンベッチャンです。
「なんて?」
 スラベッチャラド……
「ああ、もうええわ。聞くだけで気持ち悪い」
「でも、スラベッチャラドンベッチャンの鳴き声も、スラベッチャラドンベッチャンだよ?」
「スラベッチャラドンベッチャン!」
「イヤやぁぁぁぁぁ!! なんや声ちょっと可愛いねんもん! 逆にきついわぁ」
「スラベッチャラドンベッチャン!」
「やめてぇぇぇ!」
「えい」
 勇者はスラベッチャラドンベッチャンを持っていた剣で殴打しました。・
「殴打!?」
「えい、えい、えい」
 殴打し続けました。
「ちょ、もっとすぱっといけんの? イヤや、なんかエグいわぁ……」
 勇者の剣は、まだレベルが低いので木で出来ているのでした。
「イヤやわぁ……」
 てげたごん♪
「なんて?」
 勇者はスラベッチャラドンベッチャンを倒した!
「おお、やったな健太郎!」
 スラベッチャラドンベッチャンは元の姿に戻ることが出来た!
「え? そんなシステムなん?」
「元の姿って?」
 クラスの学級委員、結衣たまです。
「またちょいちょい現実世界持ってくるんな……ってイヤぁぁぁぁぁ!」
 結衣たまは勇者に何度も何度も執拗に殴打され続けたせいでぐっちゃぐちゃでした。
「イヤやぁ……。結衣ちゃぁん……」
「今こそ整体師の出番だね!」
「え、いや、これ整体とかそういうレベルやないで?」
「いいから!」
「でもウチ、父ちゃんがマッサージとかそんなんやっとるだけで、ウチ自体はなんも知らんねんで?」
 いいから触るなりなんなりしてくださいよ!話が進まないじゃないですか!
「うわ、また作者が出てきちゃったよ」
「未子たんのせいでボク様の仕事がなくなってしまったではないか!」
「あ、こいつが出てくるのはイヤや。しゃーないからとりあえず触ってみるか……?」
 結衣たまは全回復した!
「整体師すごいな!」
「整体師はこの世界で最も回復能力が高いのよ」
「え、結衣ちゃん? なんでそんなん知っとんの?」
「だって私、このゲームやりつくしてるからねっ!」
「あ、結衣ちゃんもゲームとかするんや……ってゲーム!?」
 そう、ここはゲームの中の世界なのであった。
「あんたそういうことは早く言えや! で、なんで? なんてゲームに?」
「ツマランファンタジークソゲーモンスターズよ」
「うわぁ。ごっつつまらんにおいがぷんぷんしとるやん。ネーミングセンスのかけらもないやん」
「これがこれで面白いのよ。ね、健太郎くん?」
「え!? 健太郎もやっとんの?」
「うん。五回クリアした」
「すごい! 私まだ三回目よ。三回目から登場する中ボスボボスタボボステンタントンがどうしても倒せなくて」
「ああ、あれはその前のパパッペポペパペピピヌペパンを仲間にしないといけないんだよ」
「ああ! そうだったのね! 通りでボボスタボボステンタントンのグラフィックが表示されないはずだわ」
「あ、グラフィックが表示されないんだったらノノノノ人ノノ村の村長の孫の友達のお母さんの不倫相手の妹に一発蹴りを入れておかないと」
「え、そうなの? 間違えて不倫相手を蹴っちゃったわ」
「あちゃー。そうするともう一手間かかって、お母さんに事情を話して友達に村長を蹴ってもらわないといけないから……」
「もうええわ!!」
 二人が自分の持っていないWiiのゲームで盛り上がってしまい、寂しくなった未子たまは耐えかねてツッコミを入れるのでした。
「バカにしとんのか! だからWiiぐらい持っとるっちゅーねん!!」
「ごめんね、未子」
「ごめんね、未子ちゃん」
「いや、もうええわ。なんか恥ずかしなってきたわ。……って、結衣ちゃんもこの世界来てもうたけど、なんでなん?」
「わからないけど、ごろごろしながら『街に行こうよどうぶつの森』をやっていたら、気づいたらこんなところに来ていたわ。しかもスラベッチャラドンベッチャンの姿で」
 ……ヌンチャクびんってならなかったようですよ。
「うるさいわ! 黙れ!」
 はい。…………。
 …………。
 …………。
「いや、あんたが黙ると話が進まんわ! あーもうイヤや、ウチもう帰りたいんやけど。こんなムチャクチャな世界イヤや」
 無理です。
「は?」
 魔王を倒さない限り、元の世界へは帰れません。
「なんやねんそれ! ほなさっさと魔王んとこ行って倒してこよ。な、健太郎」
「でも、まだ戦闘系の職業は僕しかいないよ」
「え、結衣ちゃんは?」
「学級委員よ」
「いや、現実世界の話やなくて」
 学級委員がいると、パーティの統率が取りやすくなります。
「…………。もうイヤやこんなゲーム!!」
 未子の雄叫びと共に今日のお話はこれにておしまい。勇者一行が魔王を倒せるのは一体いつになることやら……。



To be continued...?